The 57th Annual Meeting of the Japan Radiation Research Society

日本放射線影響学会 第57回大会

開催会場

事務局

日本放射線影響学会
第57回大会事務局
事務局長:犬童 寛子
〒890‐8544
鹿児島市桜ヶ丘8-35-1
鹿児島大学大学院
医歯学総合研究科
腫瘍学講座内
TEL 099-275-6272
FAX 099-275-6278
E-mail:
mitochondrion@dent.
kagoshima-u.ac.jp

日本放射線影響学会第57回大会に向けて:ごあいさつ

福本 学 会長
日本放射線影響学会長
福本 学

この度、鹿児島大学 馬嶋秀行教授におかれましては、日本放射線影響学会第57回大会長をお引き受けいただき、会員を代表してお礼申しあげます。

我が学会は、昭和29年アメリカが太平洋ビキニ環礁で行った水爆実験により被災した第五福竜丸事件を契機として設立され、55年を迎えた伝統ある学会であります。放射線の人体と環境に与える影響およびこれに関する諸科学の進歩に寄与し、関連する研究者の連携と協力を図ることを目的として活動して参りました。

現代の文明社会は、放射線との関わりなくして成り立たないといっても過言ではありません。工学分野におけるさまざまな計測や量子ビームの応用などは良く知られているところです。原子力発電は地球温暖化の切り札とまで称賛されていました。しかし、東日本大震災が福島第一原子力発電所の事故を誘発したために、放射線によって人体、環境への悪影響が起こらないか、世界中の人々の注目が急激に高まりました。今や事故から3年が過ぎ、荒廃しきっていた、津波に飲まれた地域、旧警戒区域で現在の避難指示解除準備区域では着実に復興が始まっております。放射線の人体影響についてもかなり落ち着いた議論ができるようになってきました。一方、放射線の医療応用、特に機器開発は間断なく発展し続けております。診断のデジタル化やPET/CTなどの発展は勿論、がん治療における重粒子線治療施設の拡充も続いております。

放射線は物理学的には単純に定義されますが、生物影響は極めて奥深く理解にはまだ道遠しの状態です。放射線と上手に付き合い、便益を得てリスクを抑えるために、放射線影響研究は不可欠であります。研究を粛々と進め、研究者相互の知識を共有し、理解を深め、その結果をわかりやすく社会に発信することは学会員の責務であり、その手段のひとつとして大会は重要であります。福島から遠く離れてその影響は極めて小さいものの、川内原子力発電所の位置する鹿児島で開催されることは、放射線の「リスクとベネフィット」を再考する上で極めて意義深いことであります。

どうか会員諸氏におかれては研究の緊張を少しだけ緩めて、闊達な議論によって実り大きな大会として盛り上げ、今後の放射線影響学の発展に寄与していただくようこころからお願い申し上げます。

平成26年3月10日

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